女子柔道界での体罰・パワハラ問題がワイドショーをにぎわかしました。
その前には高校でのいじめや体罰問題がありました。
もうちょっと前には相撲界。
事件発覚後、学校、教育委員会、柔道連盟などの当事者の対応は、判を突いたように同じ
で、目を覆いたくなるようなお粗末さを感じます。
多分、当事者は事の異常さ、重大さをわかっていないからだと思います。
更には、事の本質がわかっていないからだと思います。
従って、できるだけ事実を小さく、影響を小さく、当事者の責任を小さくしようという行動に走
ります。
そして、「改善・改革」と言いながら、局所対応・部分対応だけで済まそうとします。
もぐらたたきのように現れるいろんな組織・団体での不祥事。
これらの問題の本質的な原因は皆同じです。
「閉社会、閉組織ゆえの非常識や腐敗」
と言う事ができます。
閉社会や閉組織になれば、その世界の中ではだんだんと世間からかけ離れた常識が一人
歩きします。
やがてその社会や組織は腐敗して行きます。
王子製紙だって、同族会社なるがゆえに腐敗しました。
この動きは個人では防ぎようがありません。
学校にしろ、スポーツ界にしろ、問題解決の根本的手段は、その社会や組織をオープンにす
ることです。
オープンにするということは、外からの目が届くようにするということです。
一般の会社で社外取締役を置くというのはもはや常識です。
また、一般の会社では、経理などの部署の人は数年で移動するようになっていて、不正が起
こらないようにしています。
何十年も同じ経理担当に任せていたという会社や組織では、横領が起こったりしています。
その会社または組織の責任者はバカとしか言いようがありません。
相撲界も外部理事を取り入れました。
国鉄や電電公社や郵政も民営化してかなりオープンになりました。
役所は情報公開という手段でささやかながらオープン化をしようとしています。
では学校関係はどうでしょう。
体罰を起こした教師は、15年間も同じ学校にいたそうです。
教師はある程度の年数で学校を移動させるということになっているとのことですが、そのもっ
とも重要なことがないがしろにされていたのです。
要は教育委員会が物事の本質を理解していないからだと思います。
本来、教育委員会というのは第3者委員会のようなもののはずです。
ところが、学校と教育委員会は同じ閉社会の中にいます。
これでは改革などできるわけがありません。
学校関係の改革は、教育委員会を含めて、いかにオープンにするかにかかっています。
柔道界も同じです。
選手が言った「監督だけ変えても・・・」というのは本質をついています。
「女性監督にしては・・・」という意見もありますが、それも本質ではありません。
柔道とは関係ない人たちの目が入るような組織にしない限り、何も変わらないと思います。
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