今月は「ユニバーサル・デザイン」などについて一言。
「ユニバーサル・デザイン」というのがあります。
「文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用するこ
とができる施設・製品・情報の設計(デザイン)」
ということだそうですが、要は「誰にでも使いやすい」ということが重要な要素のようです。
シャンプー容器にギザギザがついていますが、これはリンスと区別するためのものです。
同じ容器で並べて置かれたシャンプーとリンスを見たとき、どちらがシャンプーなのかわから
なくなるときがあります。
また、髪を洗っているときは、誰しも目をつぶります。
そんなときに、このギザギザをさわれば、確認できます。
目が不自由であろうとなかろうと、誰にとっても便利なデザインです。
こういうのを「ユニバーサル・デザイン」というのだそうです。
最近はお医者さんに行くことが多くて、診てもらうもらう診療科も「内科」、「耳鼻科」、「眼科」、
「整形外科」、「歯科」などいろいろあります。
医療費もどんどん増えて10万円を超えるようになり、確定申告で医療費控除を受けるように
なりました。
医療費控除を受けるためには、診療費の領収書を保管しておく必要があります。
ということで、領収書を日付順にクリップで留めて保管しているのですが、管理しにくくて困っ
ています。
領収書の紙の縦横サイズがお医者さんごとに違っているのです。
「ユニバーサル・デザイン」などと大仰なことは言いませんが、紙のサイズぐらい医師会で統
一してもらえないものかと思います。
領収書に印刷されている中身は基本的に同じようなものです。
お医者さんが使っている清算システムのコンピュータソフトの違いによって領収書の紙のサ
イズが違っているだけなのです。
難しい問題ではありません。やる気だけの問題です。
お医者さんにとっては、紙のサイズがどうであろうが特に困らないから問題にならない。
でもそんなこと言っている時代じゃないんですけどねえ。
「マイナンバー」を使って診療記録を一元管理して行こうかなんてことが言われている時代に
何とも時代遅れな話です。
もっとも・・・。
一元管理といっても、単純にデータを一か所に集めればいいというものではありません。
情報の共通化、標準化を行った上でデータを統合しないと、せっかくデータを集めても単にゴ
ミ箱に入れただけということになってしまいます。
領収書の紙のサイズの共通化ぐらいができなくて、診療記録の一元管理なんてとてもできる
とは思えません。
年金記録問題も「マイナンバー」がなかったから起きたわけではありません。
「マイナンバー」があったとしても、ただそれだけで問題が起きなかったわけではありません。
「マイナンバー」は管理をやりやすくする手段の一つでしかありません。
共通化、標準化、一元管理という問題意識があって、それを推進する組織があればどんな
環境下でも問題を起きないようにすることはできます。
「マイナンバー」があろうが、その問題意識と推進組織がなければ問題は起きます。
「共済年金」で問題が起こらなかったのは、その問題意識と推進組織があったからでしょう。
「厚生年金」や「国民年金」は公務員の人たちにとって人ごとだったということです。
「共通化」とか「標準化」というのは全ての分野に関する基本事項です。
何事につけ、そういった意識を持たないかぎり、質の向上はありません。
「マイナンバー」の活用でカルテの一元化が成され、医者を変わるたびに「MRI」や「CT」など
の高額な検査をやり直さなくてもいいようにしたり、「お薬手帳」を持たなくてもいいようにした
り、我々が利便性を実感するような施策が行われることを望みます。
当面は無理かもしれませんが。
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