11月はニュースもワイドショーも、明けても暮れても日馬富士の暴行問題一色でした。
真相に迫るようなネタを取材することもなく、いろんな人が出てきていい加減なことを言うだけ
の番組になってしまっています。
早々に白鵬が、「日馬富士はビールビンでは殴っていない」と発言し、貴ノ岩の入院時の診
断書に対してだけ相撲協会の反論が出たり・・・。
これでは貴乃花も「協会は信用できない」と思っても不思議ではありません。
それでも、協会に反旗を翻した貴乃花に対して批判的な報道になって行きました。
日馬富士より貴乃花の方が悪いといった論調です。
日馬富士の暴行事件と貴乃花の行動をごちゃ混ぜにした議論になってしまっています。
世論操作が行われているのではないかと思うこともあります。
まるで小池さんを持ち上げたり、こき下ろしたりの時の再現のようです。
白鵬が「日馬富士も貴ノ岩も土俵に上がってほしい」なんて発言をしたりしていましたが・・。
そもそもこの問題は、モンゴル会でもない会合に白鵬、日馬富士、鶴竜の3横綱が押しかけ
て、過去の貴ノ岩の発言に関して貴ノ岩をかましに行ったことから始まったわけで、白鵬がそ
の中心人物のはずなのに他人事のような発言をしています。
自分は手を下さず日馬富士にやらせたとすれば、この問題の中で一番卑怯なのは白鵬なの
ではないでしょうか。
そのへんはテレビでもほとんど誰も指摘しませんが。
白鵬は「単なる【かわいがり】だった」と言っているようですから、相撲村という村社会の本質
としては大した問題ではないと思っている感もあります。
結局日馬富士は引退ということになりましたが、最終的な評価は相撲ファンが決めることに
なるでしょう。
「礼儀を教えるために殴った。」
引退会見に及んですらこんなパラドックスのようなことを言う現実。
そして、引退したら美談になってしまって、抜本的な改革には至らない現実。
さて、こんな相撲界に対してファンは留まるのかそれとも逃げていくのか・・・。
決して「池坊なにがし」の意見で今後が決まるものではありません。
村社会的な弊害といえば、鉄鋼会社のデータ改ざんなどが問題になっています。
組織の閉鎖性、強権性ということに起因していると考えられます。
私が会社にいる時によく上司から言われたのが
「悪いことは早く言って来い。いいことは言って来なくてもいい。」
ということでした。
私も部下にそう言って接するように心がけました。
上司も部下も、人間の心理としては普通は逆になってしまうんですけどね。
会社なり団体がダメになっていく(ダメになっている)のには原因が2つあります。
一つはきちんとした組織なっていないこと。
要は組織で仕事をする体制になっていないことです。
個人の仕事の集合体みたいなものは組織ではありません。
相撲協会はきちんとした組織になっていないということでしょう。
学校などもきちんとした組織になっていないからこそ問題が絶えません。
もう一つは組織の風通しの悪さです。
風通しを良くするには、聞く耳を持つ上司がいないといけません。
特にトップのその姿勢が重要です。
上司が強権的になると、その上司の顔色を伺うようになり、正しい情報が伝わらなくなってし
まいます。
どこかの政府のように、間違った忖度が行われたりします。
あるいは怒られるから黙っておこうとか。
この問題はその会社の伝統みたいなものになっていますので、一たび問題が起きてしまう
と、ちょっとやそっとの努力では改善できません。
従って、何度も同じようなことを繰り返してしまいます。
三菱XX(グループ)などという会社はその典型みたいなもの。
今回の日馬富士問題でテレビに出てきて話をしている人たちは、組織についてわかっている
ような人は見受けられません。
そんな人たちがどんな指摘をしようが刹那的な感情論にしか過ぎず、問題が根本的に解決
するような意見は出てきません。
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